世界あちこち見聞録 コルコバードのキリスト像

9月に入っても、なお厳しい残暑が続いておりますが、お変わりございませんか?

株式会社エマール広報担当 MADAM Hです。皆さんいかがお過ごしでしょうか?

新世界の7不思議シリーズ、今回は ブラジルのコルコバードのキリスト像についてお伝えします。       

リオデジャネイロ「標高710mのコルコバードの丘」に建てられたキリスト像の事です。

カーニバルで有名な南東部の都市リオデジャネイロの街を歩いていると至る所からキリスト像を目にすることができます。 ポルトガル語ではCristo Redentor

(クリスト・ヘデントール)と呼ばれ、「罪の贖い主」という意味を持ちます。

高さ30メートル有り、1931年にブラジルの独立100周年を記念して建てられ、2012年に「リオデジャネイロ:山と海の間のカリオカの景観」の名称で世界遺産(文化遺産)に登録されました。

コパカバーナ海岸やイパネマ海岸などの美しい海岸線に囲まれたグアナバラ湾は「世界三大美港」に数えられています。

世界三大美港とは、シドニー、リオデジャネイロ、ナポリ の3つです。




2014年に行われたワールドカップ、2016年のリオデジャネイロオリンピック(リオ五輪)の際にTVでよく見かけた風景ですね?

コルコバードの丘に、巨大なキリストの像が建てられた理由とは、ブラジルの独立100周年を 記念したものなのです。

ブラジルは、ポルトガルによって発見されて以来、長きにわたってポルトガルの植民地として歴史を歩んできました。 

長年植民地として苦しい状況にあったブラジルが、とうとうポルトガルから独立を獲得したのが1822年のことでした。

だれもが知っているアメリカの自由の女神と、生い立ちが似ていますね。

しかも、自由の女神との共通点はそれだけではありません。

コルコバードのキリスト像は、自由の女神と同様、像そのものはフランスで制作され、その後、コルコバードに移されて先に完成していた台座に据え付けられたのです。

像のデザインは、フランスの彫刻家ポール・ランドウスキが、製作の監督は地元エンジニアのエイトル・ダ・シルバ・コスタが行っています。

このようにして立てられたキリスト像は、1931年10月12日に除幕式を迎え、ブラジル人と多くの観光客に愛される像となったのです。

コルコバードの丘の標高は710mです。 そんな高所に高さ39.6m、左右30m、更に重さが635トンもある巨大キリスト像を建造したのには、どのようなヒミツがあるのでしょうか?

そこには、コルコバードの丘のあるブラジル・リオデジャネイロとキリスト教とのつながりが隠されているのです。

ブラジルの中心都市のひとつ「リオデジャネイロ (Rio de Janeiro)」という地名は

ポルトガル語で、英語では"River of January(1月の川)"という意味です。 

またブラジルの国民の多くはキリスト教徒です。

リオデジャネイロを一望できる丘の上にキリストの像を設置された 

「コルコバードの丘のキリスト像」は、「キリストの神様が見守る街」という

意味と人々の信仰の深さを象徴する像となっているのです。

写真をごらんいただければお分かりいただけるように、コルコバードのキリスト像は

大きく両手を広げています。 少し不思議な立ち姿ともいえるでしょう。

実はこのキリストの立ち姿にも、意味があるのです。

キリストが大きく両手を広げているのは、ブラジルの人々の心の温かさを表していると

考えられています。 確かに、大きく広げられたその腕から、包まれる優しさを感じますね。

コルコバードのキリスト像のもつ包容力のある雰囲気は、2010年には児童虐待の

キャンペーンにも活用されました。そのキャンペーンでは、マッピング技術を使って

コルコバードのキリスト像があたかも大きく腕を動かしてハグしているように見えるという

演出がなされました。このように、コルコバードのキリスト像の大きく広げられた両手には

世界中の人が感じる心の温かさが表されているのです。