バリの伝統的な家屋の建築様式と込められた意味
2026.07.17
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バリ島では今も民家に住む地元民が多く、その建築様式は通常の家と異なる建築様式をしています。バリの民家の建築はただ美しく芸術的なだけではなく、精神性、調和、そして自然とのバランスに満ちたバリの人々の生き方を反映しています。バリの伝統家屋のあらゆる部分には、人間と神、人間同士、そして周囲の環境との関係にまつわる深い意味が込められているのです。今回のブログでは、このバリ島の伝統家屋について紹介します!

バリの伝統家屋に宿る概念
バリの伝統家屋は、代々受け継がれてきた慣習やバリ・ヒンドゥー教の教えに基づいて建てられています。その配置は、家屋を単なる住居ではなく、生活の調和を保つための神聖な空間として、宇宙観や精神性に基づいた概念に従っています。
そしてこのバリの伝統家屋の建築における主要な概念の一つに「トリ・ヒタ・カラナ(Tri Hita Karana)」があり、この概念は幸福と生活の豊さを生み出す3つの要因を指します。その3つの要因とは、「パラヒャンガン(Parahyangan)」、「パウォンガン(Pawongan)」、「パレマハン(Palemahan)」です。パラヒャンガンとは人間と神の調和のとれた関係、パウォンガンとは人間同士の調和のとれた関係、パレマハンとは人間と自然の調和のとれた関係を意味します。この概念は、空間構成、素材の選定、さらには建物の向きにまで反映されています。
そしてトリ・ヒタ・カラナに加え、バリの人々は「アスタ・コサラ・コサリ(Asta Kosala Kosali)」という概念にも基づいています。これは中国の風水に似た、バリの伝統的な建築の空間構成(建物の向き、敷地の広さ、各部屋の配置など)や寸法に関する指針です。
バリ伝統的な家屋の位置
現代的な住宅とは異なり、バリの家は、一つの敷地の中にいくつかの独立した建物からなる複合施設のような形態をとっています。

1) アンクル・アンクル(Angkul-angkul)
アンクル・アンクルとはバリの伝統的な家には必ずある入口の門のことです。伝統的な屋根とバリ風の彫刻装飾が特徴的なつくりとなっています。この門は、来客を迎えるシンボルであると同時に、外の世界と家屋エリアを隔てる境界線のような存在です。
2) アリン・アリン(Aling-Aling)
門をくぐると、門のすぐ前にアリン・アリンという塀があります。このアリン・アリンの役割は、家の中が直接見えなくなるように遮るだけではなく、負のエネルギーや悪霊を追い払う力があるとされています。
3) バレ・ダウー(Bale Dauh)
バレ・ダウーは敷地の西側に位置し、通常は客間や子供の寝室として使用されます。
4) バレ・ダジャ(Bale Daja)
バレ・ダジャは敷地の北側に位置し、家の中でも最も神聖な場所とされています。バレ・ダジャは通常家長、または両親の寝室として使用されています。
5) バレ・ダンギン(Bale Dangin)
バレ・ダンギンは敷地の東側に位置し、伝統的な儀式や宗教行事等に使用されます。
6) パオン(Paon)
パオンはバリ後で「台所」という意味で、その名の通り料理をする場所、家族が集まる場所としての役割を果たしています。

7) サンガ(Sanggah)
バリの伝統的な家には、敷地の中に祈りをささげる場所としてサンガという家内神社が設けられています。サンガは通常、敷地内でも最も神聖とされている北東側に位置しています。
バリの文化において方角も非常な意味があり北側(もしくは山の方角)は神々が宿す神聖な地として、南側(もしくは海の方角)は冥界の象徴としてみなされています。
バリの家には通常、一つの敷地内に数世代が同居する住宅群が形成されており、それによって家族間の交流が保たれています。敷地の中央にある「ナタ」と呼ばれる広場は、家族の活動の中心地となり、集いの場や伝統儀式、さらには様々な社会行事の場としても利用されています。

まとめ
現代の変化に伴い、バリの家もモダンでミニマリストなデザインになりつつあります。とはいえ、バリの人々の中には、住宅のデザインにおいて伝統的な要素や先祖代々の調和の文化を今も守り続けている人達もいます。バリのホテル、ヴィラ、観光施設においても、伝統的な建築様式が多く取り入れられています。近代化の波の中で、バリ様式の家は守るべき重要な文化遺産、そして文化的アイデンティティになっていると思います。
<小山市 エマールグループ>
