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ある日、私はバドゥン県メングウィにあるタマンアユン寺院へ向かいました。その美しさについては以前からよく耳にしており、この寺院はユネスコの世界文化遺産にも登録されています。私はデンパサールを午前8時ごろに出発しました。道路はまだ比較的空いており、バリの空気は爽やかでした。道中、緑の田んぼや道端の小さな寺院、そしてバリ特有の彫刻が施された伝統的な家々を通り過ぎました。時々、住民が民族衣装を着ているのを見かけます。おそらく寺院へ行くところなのでしょう。こうしたささやかな光景が、いつもバリ島での旅を特別なものに感じさせてくれます。

 

約45分の旅を経て、ついにタマン・アユンの駐車場に到着しまし、外から見ても、すでに雰囲気が違っていました。この寺院は、生い茂った大きな木々に囲まれて、空気は涼やかで、あたかも私をもっと静かな世界へ招き入れるかのように感じられました。寺院の敷地に入ると、すぐに魅了されました。寺院は人工湖のような大きな堀に囲まれており、まるで浮かんでいるように見えます。池の水は寺院と木々の影を映し出し、非常に美しい景色を作り出していて、私は入り口前の小さな橋で少し立ち止まり、そのパノラマを楽しみました。

 

正面には、緑の芝生と鮮やかな熱帯の花が広がる広い庭園があります。他の訪問者たちは写真を撮るのに忙しそうでしたが、私はゆっくりと歩くことにしました。タマン・アユンはただ見るだけでなく、バリヒンドゥーの歴史についても触れることができます。タマン・アユンが1634年にメンギ王、イ・グスティ・アグン・プトゥによって建てられました。この寺院はかつて王国の精神的中心地であり、栄光の象徴でした。その空間構成は、人間と神、人間同士、そして自然との調和を意味する「トリ・ヒタ・カラナ」の哲学に沿って設計されています。この寺院の造りを見れば、その哲学が理解できます。寺院を取り囲む池は海を象徴し、高く聳えるメル(バリヒンドゥー教の寺院にある、多重の屋根を持つ塔)はヒンドゥー・バリ信仰における宇宙の中心であるメル山の象徴なのです。

 

壮麗な寺院の門をくぐると、私はより奥深くへと進みました。ここで私は、黒い藁葺きの屋根を持つ多層の聖なる塔、メル（塔）の列を目にしました。三階建てのものもあれば、五階建て、さらには十一階建てのものまでありました。私はしばらく立ち止まり、見上げていました。それらのメルは高く聳え立ち、まるで空に触れようとしているかのようでした。私の周りには、カモミールの花の香りが風にのって優しく漂っていました。静かな雰囲気で、時折鳥のさえずりと池の水音が聞こえ、まるで外界の喧騒から切り離された空間にいるような気分になります。

 

写真を撮っていると、寺院の管理人のおじさんが笑顔で近づいてきました。彼はタマン・アユンの歴史について簡単に説明し、最大のメル（塔）がある方向を示してくれました。その短い会話から、地元の人々が自らの文化遺産をどれほど誇りに思っているかが伝わってきました。

 

2012年、タマン・アユン寺院はユネスコの世界文化遺産に登録されました。この寺院は、調和のとれた空間構成と象徴性に満ちていることから、バリ島で最も美しい寺院の一つと称されています。周囲を取り囲む堀は単なる装飾ではなく、天然の要塞としての機能も果たしています。

タマン・アユンへ行く方へのアドバイス

・タマン・アユンに行くなら朝霞夕方がおすすめです。柔らかな日差しが雰囲気をより穏やかにし、気温も暑すぎません。

・露出が高い服装は避け、入口で通常用意されているサルン（腰巻）をご利用ください。

・カメラの持参もわすれずに。ただし、写真を撮ることだけに夢中にならず、寺院の中をゆっくり歩き、雰囲気と空気を楽しむのも忘れないでください。

 

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まとめ

タマン・アユンへの訪問は目に見えない何か、心をより穏やかにするポジティブなエネルギーを与えてくれました。私は建築の美しさを目にし、歴史を学び、新しい人々と交流し、深い平穏を感じました。この場所はまさに芸術、文化、そして精神性が完璧に融合した場所です。その日私が学んだことが一つあるとすれば、最高の旅とは訪れた場所だけでなく、持ち帰る感情についても語られるものだということです。そしてタマン・アユンから、私はより平穏な心を持って帰帰路につきました。

＜小山市 エマールグループ＞